第7話 憧れを追いかけて…

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. ケーキを食べ終えてレジでお会計をしていると、奥の厨房から作りたてのケーキが運ばれてくる。 完売間近だった『koto』にも、更なる追加がやってくる。 きっと、今朝からコウちゃんが一生懸命に作ったケーキたち。 コック服に身をまとったパティシエさん達が、ショーケースに器用に入れ替えていく様子を、物珍しげにじっと見つめる。 すると、どこからともなく聞き慣れた声がした。 「……琴ちゃん?」 視線を上げると、そこには空になったケーキ皿を持っている、コウちゃんの姿があった。 勿論、驚いているのは言うまでもない。 わたしの目の前にある『koto』に気づき、不自然に目を逸らし始める。 彼が照れ隠しをしている証拠だ。 「コウちゃん……これ……」 「……見つかっちゃったか。知られたら恥ずかしいから、連れて来たくなかったのに。」 そっか……。 自分の職場を見られたくなかったんじゃなくて、このケーキの名前を知られるのが、恥ずかしかっただけなんだ……。 明らかになった新事実に、ホッとする。 「勝手に名前使って、ごめん……」 「そんなのいいよっ! それに、これって……」 ケーキに関して、訊きたいことは山のようにあった。 けれどもそこに参入してきたのは、お会計を終えたパパだった。 コウちゃんの存在に気づき、柔らかな微笑みが浮かぶ。 .
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