第7話 憧れを追いかけて…

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. 「こんにちは、一ノ瀬さん。」 「あ……どうも、御無沙汰しています。」 パパとこっちに来たことは話していたけれど、まさか一緒に来店するとは思っていなかったらしく、戸惑っている様子のコウちゃん。 そんなに焦らなくても、うちのパパは優しいのに……。 「そういえば、こちらに来られていたんですよね。前に妻から聞きました。」 「はい。こちらの店で、色々と御世話になっています。」 かなり、不思議な感じだ。 パパとコウちゃんが普通に会話をしている。 珍しいツーショットの行方が、わたし自身も気になるところだ。 「すいません。お仕事中だったでしょう?」 「いいえ。今から休憩時間なので、大丈夫です。」 「そうですか……。じゃあ、琴羽のこと少し頼めますか?」 「え……?」 しかし、パパの予期せぬ発言に、わたしとコウちゃんは一瞬にして言葉を失う。 社交辞令的な挨拶をして終了だとばかり思っていたので、ふたりで目配せをした。 そんなわたしたちを見て、パパは小さく笑った。 .
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