エピローグ ―― 3 years later.

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. 「嘘だよ。1日早いけど……誕生日、おめでとう。」 「わ……忘れられちゃったかと思ったぁ!」 「俺、そこまで薄情じゃないよ? 流石に、彼女の誕生日は忘れないよ。」 ぶっきらぼうに言い返すと、彼女はニコリと笑いかけてくれる。 いつまで経っても、その笑顔に幸せを感じられる俺は、今でも相当彼女に溺れている。 「明日も仕事だから……その代わり、今夜は乾杯してね。」 「うん。勿論だよ。」 仕事中は、どうしても『先輩』として接さなければならない部分もあるから。 こうしてプライベートで、ふたりでいる時くらいは、存分に優しくしてあげたいんだ。 3杯目のカクテルを飲み終えたころには、お酒の弱い彼女は、程よくほろ酔い気分になっていて。 俺は彼女に気づかれないように、小さく深呼吸した。 「……琴、俺からの……誕生日プレゼント。」 「え……?」 「安物だけど、受け取ってくれるかな?」 俺が手のひらに乗せて見せた小さな箱を、彼女は大切に包み込むように受け取ってくれた。 まだ、『本物』は渡せないけれど。 いつか、渡せる日が来て欲しいと願う。 .
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