エピローグ ―― 3 years later.

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. ダイヤも何もついていない、ただのシンプルなシルバーリング。 それを空に翳すようにして、愛おしげに見つめる彼女の横顔。 「これって……婚約指輪?」 「ううん。婚約指輪の、一歩手前の指輪。」 「ふっ……。そんなの、初めて聞いたよ?」 「俺も、初めて言った。」 俺がそう言うと、彼女は目を潤ませる。 もう何百回も見てきたであろう涙を、そっと指先で拭ってみせると、彼女は恥ずかしそうに見つめてくる。 そして、声を震わせながら訊いてきた。 「……いつか、本物をくれるの?」 「うん……必ずあげるよ。約束する。」 そう言って、俺たちは小指を繋げて約束を交わした。 遠くて近い未来の約束。 「琴……これからも一緒に、誕生日を迎えような。」 何年たっても、何十年たっても。 ここに君がいれば、それだけで幸せで。 甘いお菓子と、君の甘い笑顔に囲まれた生活が、俺にとっての何よりの幸せなんだと。 これからもずっと、信じているよ……。 『honey girl*』 【完】
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