第2話 新たなる挑戦

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. それは、どういう意味なのだろう……? もしかして俺たちの反応を楽しむだけの、思いつきのドッキリ発言だったのだろうか。 俺はホッとしたけど、あんなに無邪気に喜んでいた琴ちゃんを思うと、いくら尊敬する父の悪戯心とはいっても許せない…… 「新商品を考えるのは、お前だよ……聖。」 「はっ!?」 「そんなに驚く必要はないだろ。この店のケーキは今や、お前がほとんど作っているんだから。 新商品を生み出すのも、立派なパテシエの仕事だろ?」 「……。」 父さんの言葉はもっともだ。 決められた分量で決められたケーキを作りこなすだけが仕事ではないし、同じ商品ばかりが店頭に並んでいるのはマンネリに繋がり、客足を遠ざける要因のひとつにもなり兼ねる。 勿論、定番のケーキ類や特製のハチミツロールは絶対必須だけれども。 でも、俺はとうの昔に気づいている。 その才が俺には全くないことを。 「え、じゃあ……コウちゃんが新しいケーキ考えるの!? 凄いっ、私……全力で応援するね!!」 それなのに俺も所詮は、どこにでもいる浅はかで馬鹿な男だと実感する。 その嬉しそうな笑顔を目の前にすると、どんなことでもやりこなせる気になってしまうのだから。 .
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