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‐①‐

　とある土曜日のお昼前､とあるﾏﾝｼｮﾝの306号室のｷｯﾁﾝで主婦は戸棚を開けて何やら探している｡
｢あら､もうないのね、買ってこなきゃ｣
　そう言いながらｺﾝﾛの火を消し財布一つ持ってｴﾌﾟﾛﾝをしたまま近所のｽｰﾊﾟｰへ出掛けた｡

　ｽｰﾊﾟｰに着くと迷わずそこへ向かい､えーと…｡毎日がお買い得320円｡やっぱりこれが一番ね｡と､脇に抱えた買い物ｶｺﾞに入れた｡そのあと､ﾌﾟﾘﾝを三つと鶏肉も｡

　ﾚｼﾞをすませ､ｽｰﾊﾟｰを出ると､誰かが呼んでいる｡
｢長谷川さん!｣
　息子の同級生のお母さんだ｡
｢あっ､こんにちは｡西田さんも､お買物ですか?｣
｢ええ｡あ､そういえば､この前は～…｣と､おきまりの立ち話が始まった｡