第28話

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「料理に不備がありましたか」 偉進の手を払いのけた。 「いや。料理は旨い。気がきくあんたが気に入らん」 「いかなる意ですか」 都季は目を余所にやった。 「何か、俺に隠し事をしてるな?」 偉進の勘の鋭さは恐ろしい。 都季は、ふと思いついた言葉を口にした。 「実は……給金が随分下がったのです」 「ん? さらに金を遣いに来いと言いたいのか?」 「いいえ。そうではなく、租税が上がったという理由で給金が三割も削られたのです」 「何かの間違いじゃないか? まことに租税が原因か?」 「何故ですか」 偉進は腕を組み、首を傾げた。 「ふむ。俺は郭署のことは知らんから確かな事は言えんが……。幾ら遊郭が隔離された区域とは言え、税の管轄は民部だ。流石に税を引き上げるとなれば朝廷で議論したと思うんだがな。さような話はあったかな……」 「あったかな……って。判らぬのですか?」
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