第28話

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「ははは。俺は高官でも無けりゃ、この役職に心血を注ぐ気も無いんでな。興味の無い事は知らん」 都季は呆れた。 「あてにならぬではないですか」 「ははは。すまんすまん」 「謝るなら誠意を込めて態度で示してくださいませんか」 「阿呆な事をぬかすな。男がそう容易く頭を下げられるか。謝ったら敗けだ」 「何を仰るのやら……まったく……」 肩でため息を吐いたとき、偉進の掌が頬に触れた。 しかして、その手は滑るように都季の首の後ろにたどり着いた。 この手は、都季の頭を引き寄せ、唇を重ねるためのものだと判ってしまう。 「あの……飲み足りぬのではないですか?」 「萎えるような事を言うな」 「しかし……」 都季は偉進の顔が近付くと、つい顔を余所に向けた。 「おい、何故逃げる」 「まだ……そういう気分では……」 「気分だと? 娼妓のくせにくだらんことを言うな」
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