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いつしか辿り着いたのは、娼家であった。
家母が背負った壁の札で、綾が手空きであることを認めると、案内も待たずに階をあがり、双龍の唐紙を開けた。
「紹様……?」
文机で書物を開いていた綾は、驚愕して固まった。
後ろ手に襖を閉めると、思いのほか大きな音が鳴った。
苛立ちをぶつけるように、綾を抱きしめ唇を重ねると、戸惑い逃れんとする抵抗があった。
「いかがされましたか」
紹彩志の胸を押した綾が、素直な目で見上げた。
「すまぬ。許せ」
綾が何を悟ったのかは存じぬ。
胸を押す力がゆるみ、閨房へといざなわれた。
寝台に横たわると、重みをあずけてきた綾が紹彩志の口を吸った。食(は)むような動きと柔らかさに淫蕩が迸り、しなやかな細い腰を抱き寄せて上下の位置を入れ替わった。淫靡に舌を絡ませた。
薄い着物を割ると、白磁のような肌があらわれた。やわらかな膨らみを揉みしだき、頂きに舌を這わせると滑らかな足が紹彩志に絡みついた。
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