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「ちち、違います! 副長官様とは先日知り合ったばかりです」
「でも……昨夜、旦那様の湯あみの介添えをしたのでしょ?」
「それは……私が遊郭の下女だったから……遊郭では娼妓の湯あみのお世話をするので……だから、しろと言われて……」
しどろもどろに答えると、彼女は「へえ」と答えた。
「あなたを責めたわけじゃないのよ。楊爺(ようじい)が、あなたを湯殿に連れていったって言うから、さようなことは今まで無かったし、皆で妾じゃないかって噂してたのよ」
「楊爺?」
「あなたを連れてきた人のことよ。あ、私は宗蘭(そうらん)と言うの。あなたは?」
「あ……シノと言います」
シノは遠慮がちに頭を下げた。
宗蘭は気さくなお姉さんという感じで、シノに様々なことを教えてくれた。
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