妄想と言う名のカーペット

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妄想と言う名のカーペット

ちょっと前に友人から紹介してもらい、2~3度程面識のある女の子と深夜にメールをしていた。 何度かやり取りを繰り返し、お互いに明日は休みで何も用事が無いという事が分かった。 すると彼女が突然とんでもない事を言ってきた。 「明日行っていい?」 さぁ大変だ。 女の子が一人で遊びに来るなんて何年ぶりだろう。 しかも、俺に好意を持ってる可能性の高い女性だ。 しかし、部屋中ゴミだらけである。 真夜中であるにもかかわらず俺は掃除を始めた。 部屋中に散らかっている空き缶、ペットボトル、チラシ等を片付け、掃除機をかける。 おっと、Hな本やDVDも片付けなければ。 この時、忘れがちであるがデッキの中も空になってる事を確認しておかなければならない。 山川恵里佳の写真集はH本ではないが…… 片付けよう。 さて、次は台所も綺麗にしなければ。 もしかしたら 「あたしが、何か作る」 とか言い出すかもしれない。 この時点で俺の妄想は6畳間に広げた8畳用カーペットのように広がっていた。 さて、あとはトイレも綺麗にして…あっ、もしかして、あーなってこーなってそうなるかもしれない。 何故か俺は風呂場の掃除まで始めた。 俺の妄想はもはや6畳間に広げた12畳用カーペットくらいになっていた。 カビが落ちない。 少し離れた24時間営業のスーパーまでわざわざカビキラーを買いに車を走らせる。 それにしても、こんなに掃除をしたのは初めてである。 年末でもここまではしなかった。 その甲斐あって完璧である。 あーなってこーなっても安心だ。 ふっふっふっ。 翌日、彼女は約束の時間より5分遅れてやって来た。 なかなか常識をわきまえたお嬢さんではないか。 ふっふっふっ。 とりあえず彼女を家の中へ招きいれた。 それから30分ほどしたら… それから30分後、俺達はドライブに出掛けた。 あんなに掃除したのに。 はぁ~。 ため息つくなよ、家中綺麗になってよかったじゃん。 はぁ~
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