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鈴木「先日の子会社の一件ですが、ひとまず刑事罰を免れただけでも幸いでしたね」
僕「僕は事情聴取で、もう一生分警察に行き来したけどな」
鈴木「次にお世話になるのは、出頭の時ぐらいでしょうね」
僕「大丈夫。そんなヘマは踏まない」
鈴木「何かしでかす気は満々と見た」
僕「ははは、鈴木さんの僕を見る目がまるで生ごみを見るようなものに変化していく。これは磨りガラス越しじゃないときついぞ」
鈴木「ご自分で言ってて嫌になりません?」
僕「うん目元から水漏れしてきた。クラシアン呼んでくれるかな」
鈴木「安くて速くて安心ですからね。さて、そろそろ仕事の話をしてもよろしいでしょうか」
僕「ぐすん頼むよ」
鈴木「社長が去る一件にお時間を取られている間に、業務はそれこそ山のように溜まっておりまして」
僕「僕という人間も山のように存在していたら良いのに」
鈴木「それでは私の気苦労が山となってしまいます」
僕「そうだ、新しいビジネスを思いついた。自分と全く同じ細胞構成からなる人間を造る。そう、名付けてク」
鈴木「発言が難破しております」
僕「はぁ気が重い。鈴木さん、何か肩の荷が下りるようなこと言ってよ」
鈴木「肩ですか……分かりました。おんそわかおんそわかはにベらたまやら」
僕「じゃすたもーめんと! もう十分だ。僕が馬鹿だった」
鈴木「よろしいので?」
僕「ああ、これ以上やると肩の荷が下りるというより肩に何か降ろされそうだったからな」
鈴木「ところで、社長。お急ぎで処理していただきたい案件だけ、こちらに別個でまとめておいたのですが」
僕「おお、どれどれ……関連各社及び傘下四グループ撤退に係る通知……?」
鈴木「今回の開発からは手を引かせてもらうといった旨の通知書です」
僕「巧妙な偽造文書という可能性は?」
鈴木「無いと思います。その自信があります」
僕「じゃあ問題は、どうやってこれを偽造文書に見せかけるか。その一点にあるということだな」
鈴木「光明の見出し方が犯罪者のそれですね」
僕「よし、そうとなったら可及的速やかに腕利きの職人を呼べ!」
鈴木「社長、精神的に余裕が無いのは分かりますがそれは捏ぞ」
僕「余裕は無いが金ならある! こんなところで人生に難破してたまるか。がーはっはっはっ」
鈴木「荒んだエゴがだだ漏れている……クラシアン、クラシアーン!」
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