第1話 ベタが1番ベタじゃない

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 この人はどうやら頭がお花畑のようだ。天然などというレベルの話ではない。お花畑なのだ。 「あの、ね、そういうのは、もっとね、好きな人とだね、経験を重ねてだね」  オレが偉そうなこと言える口ではないが、エリスのいうことは確実におかしい。 「ということは、ダメ……なのですね……わたくしふられたのですね……」  エリスの目が充血していく。泣く。これ、絶対泣く。 「ふええええん」 バァン!足元に火花が散る。 「あっぶねぇ!やめろよ!」 「やめろよ?誰に口をきいているのだ」  車を連れてタキシードが返ってきた。ん?車を連れて?  そうだ、運転手に銃口をつきつけ、車を連れてきたのだ。  ……と、あるものがオレの目に飛び込んだ。タキシードの胸が膨らんでいるのだ。まさか……とは思うが。 「え、エリス?」 「ぐすん……ふえ?」 「あのタキシードの方って、女性?」 「ええ!?どうして陽子さんが女性だと気づいたんですかーっ!?!?」 「ええ!?声でか!」  タキシードを見ると、なぜかもじもじしている。いったいなんなんだ!  都会ってこんなにディズ〇ーラン〇みたいな場所だとは思わなかった!  なんだよ、この急展開!?ベタだな……
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