第2話 こんな姉妹はベタじゃない

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 どうやら、激しいドアのオープンに巻き込まれた哀れな子猫ちゃんがいるようだ。 「あんた……バカじゃないの……」  目に涙を浮かべた女性がそこで倒れこんでいた。 「あ、あのぉ……」  オレは恐る恐る声をかける。 「みらくるこーぽれーしょん、の社長令嬢じゃないですよね?」 「何言ってんの!?脳みそ腐ってるの?ていうか、まず謝りなさいよ!」 「まことに申し訳ございませんでしたぁ!」  深々と頭を下げる。だが、オレの誠意は相手に伝わらなかったようだ。 「靴をなめなさい!」 「ん?」 「靴をなめろって言ってるのよ!」 「え?」 「靴を……」 「あ、あのさ、ここじゃ近所迷惑だし、中に入ろうぜ」 「お邪魔します!」  激怒の勢いのままお邪魔しますを言った彼女を家に招き入れ、扉を閉める。  近所の人の目が痛かった。都会には、KINJOZUKIAI、というものもあるらしい。近所の人と仲良くしなければならない、という絶対的な法則だ。  うちには椅子がないので、彼女は床に正座でちょこんと座っていた。  茶髪のポニーテール。少し釣り目だが、特別怖い顔というわけではなく、むしろむちゃくちゃかわいい。
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