第3話 幼馴染はベタじゃない

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 女性店員がなにやら声を出した。働くというのも大変だ。  もちろん、オレもアルバイトをしている。しなければ生活できない。ガソリンスタンドの警備員だ。空手経験者というだけで、採用されてしまった。  どうやら、都会のガソリンスタンドには、ファイターが現れるらしい。 「う……あ……」  女性店員がうるさい。  ふっ、すまないが、君たちに気を使うほどオレはお人よしじゃない。オレは今どちらのメーカーのコーラを買うか決めるのに忙しいのだ。  どうしても助けてほしければ、オレがどちらのコーラにするか、ゼロカロリーにするか否かを決めてから言ってくれ。  ふと、カルピスソーダが目に入る。これも捨てがたい。  その時だった。下からスコールが輝きを放った。  あらゆるジュースがまるで宝石のように感じる。 「あ、あの……」  女性店員は宝石のようには感じない。 「足……」 「あ、すいません」  オレは足を上げる。どうやら、店員のズボンのすそを踏んでいたようだった。  むちゃくちゃ恥ずかしい。本当に申し訳ない。 「ん? ほのか?」  そうだ、この店員は、幼馴染のほのかだ。 「え!? その声は……風馬?」  顔を見ているのに、その声は、というその言葉に違和感を感じながらも、知っている顔との再会に少し安心感を覚える。 「どうしてお前がここに!?」  そうだ、人口の少ない田舎。全校生徒10人の学校で、いつも一緒だったほのかだ。
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