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「あなたのハートに……ちぇけらっちょ」
ぼそっと口にする。特に意味はない。ちぇけらっちょ。というのは、小学校の頃に同級生の間で流行った言葉だ。
オレは髪をくしゃくしゃとする。ベッドから立ち上がり、カーテンを開ける。
「……まぶしい。」ピシャアッ
速攻でしめてやった。
それにしても、さっきの夢はなんなのだろうか。あの笑顔は何なのだろうか。
経験したことはないだろうか。夢の中で恋に落ちた人のことをしばらく考えてしまうといった経験は。オレは今、それだ。
殺伐とした部屋。一人暮らしを始めて、初めての登校日。
実家は田舎だ。どうしても都会に出たかったオレは、必死に勉強して合格を勝ち取った。
自分でいうのはなんだが、空手バカで勉強はできなかったのだが、自分のしたいことのためなら、案外なんでもできるものだな、と思う。
時計を見る。大丈夫、登校初日に遅刻して……といったベタな展開はどうやら阻止することができたようだ。
悠々と制服に手を通す。だが、登校初日にも関わらず少し着崩れている。
それはオレが何度も着て、鏡の前でイメージトレーニングをしたからだ。
腕時計をつけて、鏡の前でポーズをとる。
よし、決まってる。
「……あれ?」
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