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そう言いつつオレは顔を上げる。もうこうなればベタに生きるしかない。
「だ、大丈夫ですぅ……こちらこそ申し訳ありませんでしたですぅ……」
そこに倒れていたのは、文字通り美少女。優しそうなたれ目に、パーマを当てたクリーム色の髪。服装は……ドレス?コスプレ?よくわからないが、都会というのはこういうところなのだろう。
きっとこの子は同じクラスで、隣の席になり、結果付き合って結婚することになるのだ。
というわけで、オレは予期せずして運命の人と巡り合うことになったのである!
……カチャ。機械音。同時に背中に冷たいものがあたる。
「動くな」
「へ?」
振り向くと、そこに立っていたのは黒ずくめの男性であった。タキシードを着て、サングラスをかけた文字通りのボディーガードといった感じだ。
向けられた銃口。なに。オレ撃たれるの!?
「オウ!ソーリーソリー!アイムソーリー!アンドユー?」
日本は拳銃の持ち込みは禁止だ。だとすれば、こいつは海外のマフィア。英語で謝らなければ……。
混乱した頭でそこまで考えた時、たれ目女が声を上げた。
「待ってください!わたくしの不注意でぶつかってしまったのです!」
泣きそうな声。
「しかし……」
「その銃を下してください!」
「かしこまりました」
そういうと、タキシードサングラスバカは、銃を下した。
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