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「ちょ、ちょ、え?なんで?え?」
「大変申し訳ありませんでした。わたくしのご注意で危ない目に合わせてしまいまして」
「あ、いえ、こちらこそ」
ポンポンと服を払うと、彼女は手を差し伸べた。握手をする。
カチャ。機械音。同時に背中に冷たいものが当たる。
「動くな」
「へ?」
「エリス様に触れるな」
「やめてください!」
エリス様とやらのおかげで、再び銃口が下される。
「いったい……」
垂れる汗を拭きながらオレは尋ねる。
「わたくしは、上条エリス。フランスと日本とハーフなのです」
「エリス様は、世界中で活躍しておられる、ミラクルコーポレーションの社長令嬢でおられます」
「み、みらくるこーぽれーしょん……」
田舎者のオレにはよくわからないが、それって非常にナンセンスなネーミングセンスなのではないだろうか。
口に出すと銃口を突きつけられるのはわかっていたので、オレはのどでしっかりとブロックした。
「えっと、エリス様……?」
「エリスで結構ですわよ?」
「じゃあ、エリス、君みたいな人が、どうしてこんなところで……」
カチャ。機械音。同時に背中に冷たいものが……
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