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どうやら、令嬢は普通に日本に住んでいるらしい。ハーフで社長令嬢といったら、海外に住んでいて、日本に帰ってきたばかりの時にオレと出会って恋に落ちるパターンかと思っていたのだが、現実はそれほどベタではない。
とはいったものの、同じ学校のようだった。しかも、先輩。1つ年上だったのだ。一見そんな風には見えないのだが。
「へぇ、そうなんですか。今年から後輩になるのですね!」
「ええ、まあ……」
何か忘れているような気がするのだが……。
「あ!入学式!」
「ふえ!?わたくしはエリスですよ!?」
「そうじゃなくて、今日入学式なんです!ああ……もう始まってる」
「わ、わたしのせいですよね……すいません……ごめんなさい……ううっ、ぐすんっ」
「あ!いえ!すいません!泣かないで!」
必死にあやすものの、彼女は一向に泣き止まない。このままでは入学式は終わってしまうのではないだろうか。
案の定背中に銃口が突きつけられる。だが、オレはもう動じない。どうせ撃たない。
「ええっと……いないいないばぁ!」
とんでもないことをしてしまった。
が、しかし。
「きゃははっ」
機嫌は直ってしまったのだ。
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