日本サッカーを背負う男

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『あの6番を止めるんだ!!当たれ!当たれ!』 相手チームの監督の指示がピッチに飛び交う。その声を聞いた選手はすぐに身体を6番に寄せる。 しかしその言葉も行動も何事もなかったように味方に正確なパスを配給していく。 『右からだ!利き足で蹴らせるな!』 なんとか主導権を握ろうと必死の指示を出す監督の心を砕くように左足でも味方に正確なパスを出す6番。 『パスコースを消してプレスかけろ!』 こう指示が出ると選手は6番に近い選手を徹底マークしてパスコースを消しているつもりになる。 よく学校の体育で行われるボールにみんなが近づいて戦術のないフィジカルだけで戦うごちゃごちゃした泥試合だ。 (ジュニアユースの監督ってのはこんなもんかよ。) そう思いながら鋭く速い振りでポッカリと空いたスペースへロングパスを繰り出す。 (ちゃんとエースなら決めろよな。龍二!!)
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