分岐点

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勝利の立役者の二人は上機嫌でいつものアイスを食べながら帰っていた。 『碧翔。今日も素敵なパス通してくれてありがとうございます。お陰でみんなの視線一人占めできたよ。』 手を合わせ無邪気に笑い、お礼を言いながら不機嫌な碧翔に首をかしげて 『ん?どした?せっかく勝ったのに何で機嫌悪いのさ?』 『そりゃ機嫌も悪くなるさ。もう少し回りが動いてくれりゃ、、、もっと色んな攻め方が出来たんだ。得点のバリエーションが少な過ぎる。』 碧翔に取ってサッカーは自己アピールでしかない。自分はこんな絵が描ける。誰も創造つかない事が出来る。 サッカーしかして来なかった。 貧しくサッカーしかしなかったと有名なサッカー選手がドキュメンタリー番組でしている。 ただ娯楽ばかりのこの日本で、家庭事情があるにせよ、娯楽にも負けずサッカーだけをしていると碧翔は自負していた。 そんな碧翔を見続けて一緒にプレイして来た龍二は、いつものように愚痴をこぼす碧翔に聞こえないふりをして 『なあ、、、碧翔。俺らこれからどうするよ?ブァジのユースチームに入ってトップチームを目指す?そりゃあガキの頃から応援してきた地元のチームを一部リーグに二人で導きたいけどさ。ただ碧翔はU15の中心選手だし、最初から一部リーグのチームのユース行ってもいいんじゃね?まあ。俺は碧翔の行く所に第一希望で行くけど?受かるかはわからないけどな~。』 龍二の話を聞きながら、碧翔は龍二の存在に感謝していた。自分も必要としてる奴に真っ正直から必要だと恥ずかしげもなく語ってくる龍二に。 『ったく。大丈夫だよ。俺が一緒に受からせてやるから。まあ、万が一受からなかったら俺も辞退してやるよ。』 二人とも顔を見つめあい大笑いしていると。 『ふん!馴れ合いか。ヘドが出る友情関係だな!井の中の蛙とはお前らの事をいうんだろうな。』 二人が視線を向ける先に、先ほど首脳陣に二人の事を聞いてた男が立っていた。
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