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……と、ちょうどその時、味方勢の後方から号令が飛んできた。
『我が軍の勝利だぁーっ!』
どうやら国軍の上官の声のようだ。内容は勝利を知らせるものである。
それに続くように、何百人もの国軍兵士の『オォー!』という雄叫びが重なり、あがった。
勝利に酔いしれ、意気揚々としている様がはっきりと伝わるような力強い雄叫びだった。
まぁ、中にはそのやり取りに参加しない者もちらほらうかがえたわけだが。
一様に鎧を纏った正規の国軍兵士とは違い、ラフな格好をした傭兵団の連中である。
無論、シャドウとガロンもそれに含まれている。
他の傭兵と同じように、やれやれといった表情で兵士団に視線を送るだけに留め、雄叫びをあげるようなことはしなかった。
うぇーいだの、うへへーいだの、気分で適当に声をあげるだけの者も一応いるが。
大雑把に隊列をたもったまま、兵士団が各自撤退を始める。
何百人もの人間が談笑しながら歩くというのは随分賑やかなものである。
その隊列から、数人組のいくつかの傭兵グループが滲み出るように抜け出し、少し離れた場所を歩いて撤退していく。
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