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十「総司様、総司様。この通りですから潜入捜査に協力してくださいまし」
沖「やだ」
十「俺達親友だろォォ!!親友が土下座までして頼んでんのにそりゃねェよ!」
俺は朝食後、トッシーの部屋に呼ばれた。そして長州の奴らの話を聞いてすぐに総司の部屋に来たんだ。
で、俺は総司に向かって土下座までして頼んだが、総司は拒否る。
十「どうしてダメなの?」
沖「甘味屋に行く予定があるから」
甘味屋に行く日にちぐらい、ずらしてくれてもいいじゃねェか!!
十「甘味と俺、どっちが大事なのさ!」
沖「甘味」
この野郎、コンマ一秒もなく即答しやがった!
俺の存在って甘味以下か!
悲しい!悲しすぎるぞ!
沖「じゃっ、頑張って」
十「イヤダァァァ、総司君、俺をひとりにしないでよォ!」
部屋を出て行こうとする総司の腰に抱き着いて止める。
すると総司は溜息を吐いてこういった。
沖「あのね、十鬼。神様が僕に言ってるんだ。総司君、君は今日甘味を食べるべきだってね」
神様がそんな事言わねェと思うよ。逆に、総司は甘味を喰い過ぎだから控えろって言うよ、絶対。
十「俺が明日、甘味を奢ってやる!だから協力してください、お願いします!」
沖「‥‥‥それ、本当?」
よしっ、食いついた。
十「本当、本当!団子五本奢ってやる」
沖「後、お汁粉三杯と、餡蜜二皿、団子十本上乗せしてくれるならいいよ」
アンタそんなに喰うの?総司の腹には甘味限定のブラックホールでもあんのかな。
しかし、そんな量奢ったら俺の財布が地球もビックリの氷河期を迎える。
財布に春が来るのは一ヶ月後だぞ。
うぅぅ…だが、背に腹は返られない。
十「分かった。交渉成立だ」
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