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~沖田視点~
さて、十鬼に協力することを承諾したのはいいけど。
沖「…来るのが遅い」
あの後、外で待ち合わせる事になって、僕は待ち合わせ場所で待っていた。
場所は川辺に植えられている一本の桜の木の下。今は秋だから桜は咲いていない。
ここは人の通りもあって、多くの店が並んでいる。
十鬼を待っている間に、道を歩く女の子に何度も話し掛けられていい迷惑。
十鬼、早く来てよ。
しばらく待ち合わせ場所で立っていると、誰かが僕に近づいてきた。
顔が下を向いているから足の方しか見えない。でも、女物の着物だとすぐに分かった。
また、女の子が僕に話し掛けてきたのかな。
『ごめん、総司。待った?』
総司…?今、僕の事総司って呼んだ?
僕はゆっくりと顔を上げる。するとそこには黒髪に蒼目をした女の子。
沖「…未香ちゃん?」
一瞬、十鬼の妹の未香ちゃんだと思ったけど、よく見ると違う。
十『未香じゃなくて残念でした。俺は十鬼だよ』(『』の時は十鬼が女声をしています)
沖「え!?嘘でしょ!?」
僕は目の前の事を信じられなかった。
だって、今の十鬼は背がいつもより低くて、声も高い。それに、ちゃんと胸がある。
どこからどう見ても女の子だった。
沖「どうしたの一体…」
十『ああ、まぁ、女になる薬を飲んで一時的に女の姿になってんだ。こっちの方が総司と恋仲に見えて、潜入捜査をしやすいと思ってな』
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