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~十鬼視点~
沖「…ここ?」
十『はい』
沖「何の店?」
十『婚礼の時に着る着物を売る店です』
俺の言葉にかなり引きつった笑みを浮かべる総司。
総司を潜入捜査に誘った最大の理由はこれだ。
普通の場所なら俺だけでいいさ。けどな、今回は違う。男一人でこの店に入るにはかなり不自然なんだ。
なぜなら、この店は【女物】の婚礼着しか売っていないと言う、かなり客層が限定された店。
男の俺がひとりでこの店入ったら変だろ。
怪しすぎるだろ。
だから俺が女装をして、総司に恋人役をしてもらう作戦をとったんだ。
沖「ゴメン。僕ちょっと屯所の鯉にエサをやるのを忘れた」
十『そんなの後にしてください』
逃げ出そうとする総司を捕まえる。
沖「こんな所に来るなんて、聞いてないんだけど」
十『教えてませんからね』
沖「甘味はいらないから屯所に帰して。切実に」
十『ここまで来てそれはないでしょ』
「御二人さん。店の前でどないしたんですか?」
総司と言い争っていればほら、店の人が出てきた。
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