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そして、あらかじめ呼んでいた山崎君に捕縛した奴らを任せ、俺達は屯所に戻った。
部屋に入ると薬の効果が切れたのか、男の姿に戻る。
いつもの着物に着替えてから総司と一緒にトッシーの部屋へ行くと、報奨金と三日の休暇を貰うことが出来た。
ちなみに協力した総司も同じ褒美を貰った。
十「ありがとうな、総司!」
沖「いいよ、別に。僕にも褒美があったからね」
十「だったら、甘味の話は無かったことに「ならないから」……ですよね~」
ちょっと、ミジンコ程期待した俺が馬鹿だった。
でも、いいや。総司の甘味を奢る金が出来たからな。
それにしても三日も休みかァ。
何をしよう。
たまには千雪と二人でどっか出かけたいな。
二人で出かけた事あんまないし。
千「あっ」
十「千雪、いい所…あれ?」
千雪と廊下でばったり会ったのだが、俺と目があった瞬間、凄い速さで俺から離れた。
十「総司…」
沖「ん?」
十「あれは避けられたと言って良いのかな?」
沖「避けられてるね。間違いない」
十「どうして?今朝まで普通だったよ」
沖「君、気付いてなかったの?千雪ちゃんと未香ちゃん、さっきの呉服屋まで僕達の後ろをついてきてたんだよ」
十「マジ?」
沖「うん」
十「アレを見られた?」
沖「だろうね。そして行った店があそこだから、何か勘違いしてるかも」
十「‥‥‥。ちょっと、待って千雪!!ちゃんと話し合おう!!」
俺は総司をその場に置いて、千雪の後を追いかけた。
沖「明日、ちゃんと甘味奢ってよね」
十「分かってるよ!今日は本当にありがとうな!」
さてさて、休暇の前にもう一仕事。
どうやって千雪の誤解を解こうか…。
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