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次の日、俺は総司と甘味屋に来ていた。
机を挟み、向かい合う様に席に座る。そして、注文を聞きに来た女性に、総司の要望通りの甘味を頼む。
沖「それで?千雪ちゃんの誤解は解けたの?」
総司が机に置かれたお茶を飲みながら聞いてくる。
十「まァ、何とかな」
沖「どうやったの?」
ニヤニヤと口元に笑みを浮かべる総司。俺は視線を逸らし、お茶を一口飲む。
十「…ん、まぁ、色々とね」
沖「ふ~ん、ぜひとも聞いてみたいな」
十「…教えるかバカ」
千雪の腰が抜けるぐらい口づけしたなんて、口が裂けても言えるかよ。
それから無言を貫き通す俺に、総司が「教えてー教えてー」と甘えた様に言ってくる。
下から覗き込むような目は子猫を連想させる。
男のくせに可愛いなコンニャロ。
あ゛ぁ~、なんだか手がうずうずしてきた。
十「‥‥総司」
沖「何?」
十「頭…撫でていい?」
沖「はっ?何言ってんの?気持ち悪いんだけど。何、斬られたいの?」
さっき見た可愛さは幻覚だった様だ。
(藤夜様作 火神十鬼と猫沖田総司です)
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