十鬼と総司のとある日の出来事

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でもな~、総司の髪ってサラッサラのフワッフワで、触り心地が良いんだよ。 昔、触ったけど、本当猫っ毛で気持ち良かったんだわ。 未香と千雪とはまた違った感触なんだよな。 沖「‥‥そんな物欲しそうな顔をしても、撫でさせないよ」 十「ちっ」 いつか絶対に触ってやる。覚悟しとけよ。 総司が寝ている隙に触るか?いや、総司の奴やたら気配に鋭いからな。 近づいた瞬間、喉元に剣先を突きつけられるよ。 うむ、作戦を練る必要があるな…。 「おまちどうさん。ゆっくりして行ってな」 注文を聞きに来た女性が甘味を運んで来る。 おーおー、机の上が大変な事になってるよ。見渡す限りの甘味甘味甘味。机の上を全部埋める勢いだな。 十「コレ、全部食えるの?」 沖「僕一人で食べられる訳ないでしょ。僕を何だと思ってるのさ」 十「三度の飯より甘味を愛する、甘味大好き沖田総司君」 沖「よく分かってるじゃない。でも、いくら僕でもこんな量は食べられないよ」 だったらなぜこんな量頼んだ!? すると、総司が一本の団子を手に取った。 沖「これは僕と君、二人分なんだよ」 十「へ?」 沖「君、角屋で御職になってから忙しくて、一緒に甘味屋に行く機会がめっきり減ったでしょ? この機会に、また二人で甘味を食べたかったんだ。だからこの量を頼んだの。分かった?」 十「なるほど…。ねェ、総司」 沖「何さ」 十「寂しかったの?」 沖「‥‥‥ほら、さっさと食べよう」 十「ああ」 総司の分かりやすい反応に、思わずクスクスと笑ってしまった。 少し不機嫌そうな顔をしながら団子を頬張る総司。 今まで気付かなくてごめんな。 これからは出来るだけ時間を作る様にするよ。
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