209人が本棚に入れています
本棚に追加
でもな~、総司の髪ってサラッサラのフワッフワで、触り心地が良いんだよ。
昔、触ったけど、本当猫っ毛で気持ち良かったんだわ。
未香と千雪とはまた違った感触なんだよな。
沖「‥‥そんな物欲しそうな顔をしても、撫でさせないよ」
十「ちっ」
いつか絶対に触ってやる。覚悟しとけよ。
総司が寝ている隙に触るか?いや、総司の奴やたら気配に鋭いからな。
近づいた瞬間、喉元に剣先を突きつけられるよ。
うむ、作戦を練る必要があるな…。
「おまちどうさん。ゆっくりして行ってな」
注文を聞きに来た女性が甘味を運んで来る。
おーおー、机の上が大変な事になってるよ。見渡す限りの甘味甘味甘味。机の上を全部埋める勢いだな。
十「コレ、全部食えるの?」
沖「僕一人で食べられる訳ないでしょ。僕を何だと思ってるのさ」
十「三度の飯より甘味を愛する、甘味大好き沖田総司君」
沖「よく分かってるじゃない。でも、いくら僕でもこんな量は食べられないよ」
だったらなぜこんな量頼んだ!?
すると、総司が一本の団子を手に取った。
沖「これは僕と君、二人分なんだよ」
十「へ?」
沖「君、角屋で御職になってから忙しくて、一緒に甘味屋に行く機会がめっきり減ったでしょ?
この機会に、また二人で甘味を食べたかったんだ。だからこの量を頼んだの。分かった?」
十「なるほど…。ねェ、総司」
沖「何さ」
十「寂しかったの?」
沖「‥‥‥ほら、さっさと食べよう」
十「ああ」
総司の分かりやすい反応に、思わずクスクスと笑ってしまった。
少し不機嫌そうな顔をしながら団子を頬張る総司。
今まで気付かなくてごめんな。
これからは出来るだけ時間を作る様にするよ。
最初のコメントを投稿しよう!