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未「?沖田さん、体が熱いですよ。熱でもあるんじゃないですか?」
十「大丈夫だよ。総司は元気だから」
未「でも、本当に沖田さんの体は熱いよ」
十「まぁ、それは男の事情だよ♪」
未「男の事情?」
沖「未香ちゃんは知らなくていいから」
僕はキッと十鬼を睨みつけた。十鬼はニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべている。
どうやら未香ちゃんを奪われた腹いせらしい。
十「さ~てと、俺はそろそろ部屋に戻るか。夕方までに終わらせないといけない書類があるからな」
十鬼は立ち上がり、廊下の角を曲がる。その途中、顔だけ僕に向けて意味深の笑みをして去っていった。
未「あらら、お兄ちゃん行っちゃった。…沖田さん」
沖「なっ、何?」
未「何だか眠くなっちゃいました。このまま少しだけ眠ってもいいですか?」
小さな欠伸をする未香ちゃん。
寝るって…僕の膝の上で?
沖「…いいよ」
好きな女の子と触れ合えれるんだ。嫌なはずがない。
未「ありがとうございます。おやすみなさい」
未香ちゃんが僕の背に腕を回し、胸に顔を埋めた。
くっ…可愛い。
思わず未香ちゃんの体を抱きしめる。
未「むにゃ…沖田さん、甘い匂いがする」
沖「甘い匂い?」
未「甘味の良い匂い…」
甘味の匂いか…。さっき甘味を食べたからかな。
沖「…明日、一緒に甘味屋に行く?未香ちゃんも食べれるお団子があるお店」
未「わ~い…、ありがとう、ございます…。行きま‥す…。スピー」
未香ちゃんが寝てしまった。
無邪気な寝顔に思わず、笑みが零れてしまう。
沖「可愛い寝顔だな…」
僕の手が無意識に未香ちゃんの前髪を払った。そして、露わになった額に口づけをする。
沖「明日の駄賃は貰ったからね、未香ちゃん」
僕は未香ちゃんの目が覚めるまで、彼女の冷たい体を抱きしめた。
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