第一章「何処って森ですが」

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ーーテーレッテレー♪ 「うわっ!?何の音……って何ですかこれ!いつの間に!」 何時の間にか、私の肩にはベルトで固定された黒電話……ならぬ『白電話』が下げられていた。回転ダイヤル式のレトロなデザインに、受話器の部分には何のオシャレかリボンが付いています。 どうやら先程の気の抜けたファンファーレは、この白電話から発されたものの様です。 呼び出し音でしょうか?何となく相手の予想は付きますがね。 「はい、もしもし。ヴァニッシュメント騒動課の名無し鳥でーー」 『言わんでも判るわ馬鹿もん。俺だ』 「オレオレ詐欺ですか?ご苦労さまです」 『おい鳥頭!貴様このルシファー様の声が判らんのか!』 「いやぁ、電話越しって声変わりますよねー。詐欺なら他を当たって下さい」 『……減給』 「もしもしこちら名無しの鳥ですルシファー様ご機嫌如何ですか」 やっぱりと言うか何と言うか、ルシファー様からのコンタクトでした。そう言えば地上への通路に飛び込む前に何か叫ばれていた気がしますが、これの事だったのかもしれません。 「時に、この時代遅れのショルダーフォン(携帯電話のことです)は何ですか?割りと邪魔なんで町とかに着いたら売っていいですか?」 『貴様本当に人の話を聞かないな……。良いかよく聞け。 それは地上に居る貴様と地獄に居る俺を繋ぐ、唯一の手段だ。俺へのホットラインだから、受話器を取ればすぐに繋がる。何か困ったことがあれば聞いてやらんこともないぞ』 「へぇー。何かのコマーシャルみたいですねぇ……」 地獄から地上への直通とは一体どんな回線なのか謎に包まれていますが、あまり気にしないことにします。 ともあれ、これでいつでもルシファー様の大したことない叡智を得ることができるみたいです。それが果たして何の役に立つのかはわかりませんが。 .
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