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「ひひひ、今や神速となった私に追い付くなんて世界が滅びても有り得ませんねっ!所詮虫ケラは虫ケラ、弱肉強食の世界でも鳥に勝つことは無理でーーどべらっ!?」
ガッ ずしゃあぁっ どすん!
ーー世界なんて、滅びてしまえば良いと思います。
何かに足を取られて体制を崩した私を待っていたのは、大地との熱いキッス。顔面から飛び込む様に転んだ私は、加速の勢いも余ってそのまま一回転し、地面に背中を強打した。
「Empty sky blue so……(空はこんなにスカイブルー)」
仰向けになったまま、痛みすらも忘れて静かに呟く。最早、仏の域です。
勿論空なんて少ししか見えませんが、それでも最後に目に映るのは私の愛した空であって欲しい……。
あと数秒後には、私はきっと虫の餌食になっていることでしょう。ルシファー様に見捨てられ(電話切ったのは私)、戦う術も失い(手放したのは私)、最期は一人孤独に溺れて逝くのですね……。
こんな天使の様に愛らしい儚い少女が神に見捨てられるなんて、こんな不幸がありますか?
ーー思えばこの××年間(※数えてません)、生んでくれた親の顔も知らないまま酸素を二酸化炭素に変えながら生き、いろんな出会いに恵まれました。
私を慕ってくれる友達もいましたし、センスもへったくれもないビジュアル系な地獄の王(笑)が指揮するしょっぱい悪の組織に勧誘されたりもして、そんなビジュアル系の数々のパワハラに耐えながら減給とか寝坊とか減給とか減給と減給に苦しみ、今日今まで生き抜いて来ました。
ぶっちゃけ思い出もへったくれもないチンケな人生でしたが、最後にあの空が見れたから……悔いはないです。
嗚呼、さようなら。皆様、さようなら。
贅沢言うならせめて最後にーー。
ーールシファー様の顔面に一発キメておきたかった……。
そんな思いも虚しく、私は意識を手放したのでした。
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