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『正義は勝つ』
そんな台詞が常識になりつつある中、日々正義の味方とやらに苦しめられている存在があった。
正義を砕き悪を貫く闇の組織『ヴァニッシュメント』
地獄の王と名高き悪魔『ルシファー』率いる、闇に堕ちた者達の集うその存在。
彼らは強大な闇の力を持って、世界から平和と正義を抹消し、混沌へと落とすーー
筈でした。
「遅おおおおおおおおおおおおい!!!!」
「マジすんませんっしたああああああ!!!!」
「5分も待ったぞ5分だ!5分と言ったら、3分のカップラーメンが汁を吸ってゆるゆる伸び伸びになって食感がもっちゃもっちゃして気持ち悪くなる長さだぞ!!
貴様その気分の悪さが判るか!?判らんだろ、んん!?」
「えぇぇ、まぁ……自分は焼きそば派なんでそれは判りませんわ……」
「フン!そんな意識だから何時まで経っても名前が存在しないのだ!!」
『ぷんすこぷんぷん!』と口で言いながら、私の目の前でルシファー様は不機嫌そうに足を鳴らす。ついでに、パキンッと良い音を立てながら割り箸を割るのも忘れません。
ルシファー様……この闇の組織『ヴァニッシュメント』の統括者であり、地獄の王。
私はこのルシファー様に仕えているただのしがない鳥。名前も無い、ただの鳥人です。
そんなただの鳥人である私ですが、本日五回目の遅刻をしました。理由は寝坊です。
現在、この闇の組織ヴァニッシュメントは未曾有の人手不足。ルシファー様がピリピリするのもよく判ります。
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