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「で、他にはどういった理由が?
確かに私は鳥ですから空は飛べますし、夜目が利くというとっておきのスキルもありますし……。
あぁそれと、ビジュアルが天使っぽくて可愛いという利点もありますね!」
「お前は何を言ってるんだ」
「失礼ですねルシファー様。今日日、可愛いはステータスなのですよ。
テンプテーションと言う言葉を知っていますか?あれは異性を愛嬌と美貌で惑わして洗脳する一種のマインドコントロールです。
『可愛い』と言う感情は即ち洗脳であり、所謂一つの条件反射から湧き出る心理の反応だと私は思います。
従って私の愛嬌を見抜いたルシファー様は、私をこうして選ばれたのですねわかります」
「いや別に?ただ交通費が浮くだけで決めた」
「……そんな馬鹿な」
悦に入る私をゴミを見る様な目で見つめるルシファー様。冗談抜きにドン引いています。
流石に冗談が過ぎましたね。真実ですが。
ともあれ金銭的な問題で私が選抜された様です。
夜目が利くというスキルは私の十八番。鳥ですが、鳥目ではありません。これを生かして宵闇の中を飛ぶのは朝飯前です。お陰で朝には弱いです。今日の寝坊の原因も然り。
「……分かりました。
要するに自分の翼で世界を飛び回りながら、事件を起こしたり泥棒したり夢の中で殺人を犯して世間を『フ〇ディの再来』で騒がせるのですね」
「貴様、あまりそういうネタを持って来るな。
あと、殺人は犯すな。決して、自ら他の命を手に掛ける様な事はするな」
何故?地獄の王と名高きルシファー様が人を殺めるな、等と言うのは意外です。
いやいや、そういえば。他の課がどうしているかは知りませんけど少なからず『騒動課』のものは、人の命を奪うことは禁じられていましたね。うっかり忘れていました。
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