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「長が護衛役を降ろしたって、私とあんたの関係は変わらないだろ。そばにいるよ」
「ごめんね、ウィンシア…」
ちいさく背中を丸めて、セリューナが眠ってくれた。
彼女ひとりを犠牲にしてる。
フェンが、懸念していた現実。
この頼りない背中に、一族を負わせるなんて。
「ウィンシア…」
「なんだ、寝たんじゃないのか」
「フェシルさまに会いたい…」
「そりゃ向こうもそう思ってるだろ」
「え…」
「片恋じゃないんだから大丈夫だよ。離れてたら同じことを思うだろ」
「そっか…、そうだよね」
セリューナが目をとじた。
「フェンが、あんただけを一族の犠牲にしてる…って」
「ううん、犠牲とかじゃないのよ。あれだけの男に想われてるからあたし…」
「幸せ…なんだな」
す、と寝息が聞こえてくる。
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