第1話

11/35
前へ
/41ページ
次へ
おばあちゃんが作った、秘伝の薬の強烈な匂いと効き目を、感じながら思う。 この間、危篤で助からないと聞いて、青森まで飛んでいった。 峠は越したようだけど、安心は出来ない。 青森から帰るとき、おばあちゃんは目を開けて、僕を見た。 自由の利かない、動かない体だったが、確かに目を開けたのだ。 肌には変わらずに張りがあったが、呼吸は苦しそうだった。 おばあちゃんが良くなりますように。 それは奇跡が起きないと無理だと、お医者様の見解があるみたいだけれど、それでもそう思った。 そんなことを今も思いながら、今日は眠ろうと思う。 ネット回線と無線が急に利かなくなったからではない。 足が痛くて直しにいけないからでもない。 実を言うと、先日、穴に落ちて、夜。 底まで1メートルくらいの穴で、足と上半身が引っかかって、自力で這い上がった現実がありながらも。 落ちた先が5メートルも6メートルもあって、底まで落下していく悪夢を見続けて、全然眠れなかった。 色々あって、心はまだ落ち着かないのだった。 そんなわけで、仕事休んだのに、疲れているでヤンス(゚´Д`゚)
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加