第4話

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「ただいま―…」 玄関のドアを閉めて かがんでブーツを脱ごうとしたら、 「優ちゃん、ちょっとこっち来て!」 待ってましたと言わんばかりに 玄関先に現われたママに急かされる。 「ママ? ちょ、どうしたの?  待ってよ、まだ脱いでないってば」 狭い台所を抜けて小さなリビングへとひっぱられ、 こたつの前に座らされた。 私の両手をぎゅっと包み込み、 瞳をキラキラ光らせている。 「長い人生生きていたけど、 これほど驚かされる出来事が起こるなんて 思ってもみなかったわ」 主婦向けのコメディドラマに出てくる三流女優みたいだ。 「長い前置きはいいから…何?」 「お見合いのお話が来たの。  しかも、大企業の社長さんから」
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