第4話

5/39
前へ
/39ページ
次へ
「でもね、でもね、聞いて!!  今まであなたがお見合いしてきた人達とは 今回は何となく違う気がするの!!」 手と手を絡み合わせてうっとりとした表情で、 悦に入っている。 どうしてこう、動作に胡散臭い演技が入ってくるのよ、 うちのママは……。 「何だか運命的なものを感じる…!」 よくわかんないけど、 本人をさしおいてすんごい盛り上がりようだ。 「じゃ、ママが代わりに見合いすれば?」 「もう、何言ってるの、この子は」 私が全然話にのってきてくれないので 口をへの字にし、不満を露わにした。 「ママはね…、」 とりあえず、 ママの興奮を一時停止させる為に みかん一房を彼女の口に放り込む。 「ママだってまだ47で若いんだし 再婚するなら反対しないよ。 職場にそんな人、いないの?」 「いません。 今のママの夢と言えば優ちゃんが…」 「わかった、わかった(もう耳タコ…)」
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1449人が本棚に入れています
本棚に追加