敬祐の過去

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翌日、言っていたように俊樹は教室に来なかった。 優「俊樹はうまくやれてるかな?」 心配の言葉が飛び交う中、あいつなら大丈夫だろうと思う反面、昨日の余裕のない表情に不安を抱いている自分もいた。 そもそも乱闘になったらあのなりでは太刀打ちできないのではないか、やっぱりすぐにでも教科書を借りに行って様子を見るべきか、そんなことを考えていると、前のドアから俊樹が入ってきた。 「大丈夫なの!?」 誰が言ったのかわからないが、全員の代弁者であったことは間違いない。 俊「大丈夫っしょ笑 トイレ行ってくる。」 昨日とは違い余裕そうな表情を見せていたが、目の奥で湧き上がるものを感じた。 俊樹が教室を出てから10分ほど経ったであろう。 俊樹は帰ってこなかった。 休み時間の都合もあり、俺は1組、すなわち俊樹と転校生がいる教室に向かった。 入るとピリピリとした空気はあまり感じられない。 後ろの席に女の子と話す俊樹の存在を確認した俺は俊樹に話しかけた。 敬「古典の教科書貸してくんね?」 その時、俊樹の隣で涙を流す女の子が見えた。 この時、教室内の普段のような空気から転校生がうんぬんという話題は頭から綺麗に抜けていた。 俊「ちょいまち。 ほい。」 古典の教科書を差し出す俊樹に向かって本題を問いかけた。 敬「ほいじゃないわ。借りておいてすまないけど、女の子泣かせるのは最低だと思うぞ。」 きつい言い方だったかもしれないが、本心だった。
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