敬祐の過去

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不思議な感覚に陥った。 そこまで可愛くて人気のあるような子には見えなかったが、何か放っておけない心がよく過るようになった。 それは高嶺の花であろう優子にも、中学の時につき合っていた子にも抱かない感情。 面白いオーラを持っていることから、俊樹の言っていた「なかよくできる!」という言葉の意味を理解できた。 転校生いじめ事件。 あれからどのくらい経ったであろう。 高校最後の桜を見た。 俺らのグループには新しい転校生、宮坂由依が加わり、さらに賑やかなグループと化していた。 俊樹はその子を見る目、話す態度、表情すべてが他の人と話す時と違っている。 あのチビ、立派に恋してんな。 なんて皆が気づいていた。 でも、それは俊樹だけじゃないのかもしれない。 優子や佐絵と話すのはとても楽しいが、あの子と話すのはなにか別の感情を抱く。 この感情はどこへ向いているのか、今はちょっとわからないが、このまま進むならおそらく... なぜか認めたくない自分もいる。 「敬祐! おはよ!!」 そういうことを考えていると、会ったりするんだよな。 敬「おう、おはよう莉野。」 向田莉野。 君はもしかして、新しい風を俺に送ってくれているのか?
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