第3話 儚い生と想い

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 軍事総本部にはレン・ラ・リンクを含む数人の将校と軍務大臣が現場の状況を確認している。大臣の右に座るレンは不安を隠せずにいる様を見せている。 「レン、心配するな。我々は一度も襲撃されて敗北したことはない。首都アリステは陥落させはしない。」 「父さん、…こんな事言っておかしいかもしれないがロノ・カヴィレント少将が気になるんだ。」  大臣は何故か急に好きな娘のことを相談しているのかと思い込み、少し動揺して焦り口調で答える。 「ん。…あ、あぁ。カヴィレント君へのお前の以前からの対応を見れば、私も分かっているぞ好きなことぐらい。しかし彼女は旧ブレイズ王国の地の出身だったな。もちろん愛には身分も種族もないとおもっている、それに彼女はしっかりしているし責任・誠実感もあり、女性のあるべき姿の代表なようなものだ。」 「え、いや。今はそういうことではなくてだな、父さん。好きかどうかではなくて…。」  レンが焦って父親の誤解を理解させようとして説明に入ろうとするがヘリギストス大臣はテンパっていてまともに彼の言葉は聞こえはしなかった。 「…なんといってもアノ体型…スタイルが私の理想だ。ボン、キュッ、ボン……。」  父親の頬が赤くなるのを見てレンは恥ずかしくなったが、真面目な印象の父さんが今こんなにも崩れたのは久しぶりだった。  他の将校が冷めた目つきでこの親子を凝視していた。それに気付いた大臣は一つ咳をして表情を戻す。 「っゴッホン。…で、何がちがうんだ、レン?」 「確かに違…わないけど、何か嫌な気がして、念のために金村にエリア3へ向かわせたいんだ。だが…アリステにいる金村の小隊をそこにいちいちよこしていいのかどうか、悩んでいるんだ。」  ヘリギストスはあぁなんだという感じでため息をついた。 「敵数はアリステより遥かに少ない、心配無用だとはおもうがな。まあ、判断するのはお前だ、レン。だがとりあえずカヴィレント君に状況を確認すれば良いのでは?」 「……。そうだな、ありがとう父さん。情報部、聞こえるな?急遽ロノ・カヴィレント旅団部隊総本部へ繋げてくれ。」
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