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「あ……」
生徒手帳には春に撮った寝ぼけたようなあたしの証明写真と高木美羽って字と学年が記されてる。
「下の名前何て読むんですか?ミウ?ミワ?」
「……ミハネだよ」
「ミハネ?へぇー!かわいいですね」
その眩しい笑顔に少しドキりとした。
って…、お世辞でしょ、こんなの。
自惚れちゃだめだって。
危ない、危ない。
「ありがと」
「あー、信じてないですね」
「だって本気で言ってないでしょ」
「…バレてました?」
いたずらっぽい顔はまだ子供の幼さを残してる。
「………」
「なんて冗談ですけどね。俺は好きですよ、美羽って名前」
また、ドキッてした。
やばい、この子危険。
好きなんて言われたら誰だって少しは夢見てしまうもの。
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