-屈折の光-

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「イチーっ!行くぞ」 「おー!わかったー」 "イチ"って呼ばれたのはあたしの目の前にいる彼で遠くで呼んでる友達に手を上げる。 「それじゃ、また、美羽先輩」 「え、あ、う…うん、またね?」 彼の背中が遠ざかっていく。 「イチくんっていうんだ…」 どういう字書くんだろ? 一?壱?…これはないかな。 ってだから何気にしてんの、あたしってば。 ただの人当たりのいい後輩なだけだって。 別にあたしに気があるとかじゃないし。
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