土に埋る彼女

9/12
前へ
/15ページ
次へ
「ふふっ……、なんでゆーくんが泣くの? そこは、私が泣く場面でしょ?」 そう言った彼女は、あの日最後に見た様な、柔らかな笑みを溢していた。 「ゆーくん、私ね、ゆーくんが私のお墓参りに来ないから、私の事が嫌いになったんじゃないかって思ったの。 でも、ゆーくんがそう思っていてくれてたなんて、安心したよ。 今日は、神様が特別にゆーくんに会わせてくれたんだ。 だから、もうゆーくんに……。」 段々と泣きそうな顔になり、途中で口をつぐみ、此方を見る彼女が、何を言うかくらい分かっていた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加