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北千住で
男は弁当を頬張りながら考えていた。今日出会った彼女のことを。そして、揚げ物の鈴木の弁当の旨さを。
「大丈夫だったかな?」
こう言ったのは、決して弁当のことではない。彼女のことだ。
本当に偶々だ。道に迷った彼女を助けてあげた。面接に向かうと言っていた。その彼女が面接に受かったか、気になっていた。
「また、会えるかな?」
つまりはこういう事だ。どこに住んでいるかわからないが、面接に受かったなら、またこの北千住に来る。そうすれば、また会えるかも知れない。そればかりが頭を巡るのだ。
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