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「じゃ」
手をあげ、二人に別れを告げる。それなのに、金髪の女の子が上着の袖をひっぱり止める。これ以上何を求めると言うのだ。僕は浅草寺に行きたいのに、いったいなんなんだ。
そうは言っても悲しいかな男の性で、かわいい女の子に頼まれると断れない。
今度はおみくじを引きたいらしい。
なら、話は早い。僕も浅草寺に向かいたいのだ。利害は一致。
「カモーン」
そう言うと、二人の手を握りしめ走り出した。まるで、子供のように。今思い出しても恥ずかしい。
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