第4話

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☆☆ 瑠璃が湖の散策へ行くのを見送ってから私は木の影に隠れた。 あぁ、湖に笑顔で駆けていく瑠璃が可愛過ぎてどうしましょう…。 昨日瑠璃にバレないように創った能力が大活躍ですわね。 名前はシャッターアイ、目にしたものや記憶にある事をそのまま写真にすることができる素敵な能力。 お陰で堂々と真っ正面から瑠璃を撮影できますわ。 ふふふ、これから先もこの能力にはお世話になりますわね。 写真を現像し瑠璃のアルバム集vr128に納めた私は当初の予定通り森の散策を始めた。 散策を始めて10分弱、少しずつ風が強くなってきた。 花弁が舞い樹々が騒ぎ始める、それが心地よく目を閉じて風と音を楽しんでいた。 数秒後、風が止んだのを感じて目を開けると少し離れた所に緑色に輝くなにかがあった。 「さっきまでなかったはず…。いったいなんでしょうか?」 気になるので近づいてみた……単なる好奇心と野次馬根性というやつですわね。 そして、そこにあったのは翠色に輝く丸いとても綺麗な珠。 それは奔放で気ままな風のように感じられて、まるで自由を愛し山河を駆ける少女のようで。 瑠璃風に言えばこんな感じでしょうか。 そして、これは一体なんでしょう? そんな疑問を抱いてすぐ頭の中にこの珠の知識が出てきた。 風聖珠 風の魔力が神性を帯び実体化したもの。これを持つことによって魔力を消費しないで風を自在に操ることができる。
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