第4話

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これといって必要な物ではないですわね……まぁ、綺麗ですし瑠璃が気に入りそうですから持って行きましょうか。 風聖珠を手に持って太陽に透かしてみる。 太陽の光が風聖珠を通り、まるで透けていっている錯覚に捕らわれた。 いえ…これは、錯覚じゃない? そんな疑問を抱いている間に風聖珠は段々透明になっていき最後には何も残らなかった。 「消えた?」 なぜ? これといって特別なことはしていないはず…。 はぁ、折角の瑠璃へのお土産が無くなってしまいましたわ。 瑠璃の喜ぶ姿を楽しみにしてた分、落胆は大きくなった。 仕方ないですわね…なにか美味しい果物でも取って湖に戻りましょう。 にしてもさっきからズンズン五月蝿いですわね、なにか大きい生き物でも通っているのかしら? 次第に音だけではなく段々地響きもしてきた、ということは此処に近づいているという証拠…。 「さて、何が出るのでしょうね?」 そう言って3秒後、その生物は姿を表した。 その体躯は犬と鶏の頭が一つずつあり四足歩行で、背中に悪魔みたいな紫色の翼と鳥の様なフワフワした翼が互い違いに合計3翼ある。 体毛は、口の先から尻尾にかけて赤・茶・ピンク・青になっていて高さが大体100mは超えている。 「……なんですの?この変なのわ」 疑問に思ったところで例の如く知識が浮かんできた。 霊造獣ビフィリア 元は60cmの丸形の魔物。 死体を吸収し身体を大きくしていく。 その際吸収した死体の魔力や能力を使えるようになる。 フロンティアでは最低位~最上位の実力。 中位でも人間界では天災以上、下手をしたら邪神などの神話レベルになる。
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