第4話

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「…前向きに考えましょう。これでまた瑠璃のために使える力が増えたのですから」 寧ろ歓迎するべきことじゃなくて? 自分の中で完結し、ふと確信めいた思いが浮き上がる。 瑠璃は時々良い事も悪い事も馬鹿みたいに引き寄せる、まるで物語の主役みたいに…。 だから瑠璃も何かしら新しい力を手に入れてるでしょ可愛らしい笑顔で話してくれるに違いありませんわ。 その愛らしい姿を収めて写真を増やすこの喜び、饒舌にし難いですわね。 瑠璃の姿を写さねば雷之宮栗栖の名が廃りますわ!! 私は妄想しつつ瑠璃の好きそうな果物を採集して、また変なのをみつけてしまった。 それはゴツゴツとした緑色の甲羅を背負い隆々とした手足で必死に樹を登ろうとしている1.3m程の亀……なぜ、亀がここに? ルワトーター ゴツゴツとした甲羅を持ち、手足が非常に発達した亀。 樹に登ることを生き甲斐にしている。 実はフロンティアの中でも上位の実力を持っているが樹に登ることに必死になり過ぎてよく踏み潰される。 ただし、甲羅が生物の中で2番目に硬いのが影響してか全く意に返さない温厚屋。 ……平和な亀ですわね。 私は5分ほど木登りの様子を見て和んでから湖に引き返した。 ビフィリアは風で細切れにして土地の肥料にした、魂玉はちゃんと回収して。
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