第4話

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街の雰囲気は賑やかで沢山の人で活気付いていた。 地図を見た限りではここは商業区と呼ばれる場所で魚屋さんや八百屋さん、果てには露店商などが並んでいる。 「お、学生さんかい?急いで学校に向かった方がいいよ。はい、これ時間がある時にでも食べておくれ」 そう言って八百屋さんのおばちゃんはミゴンをくれた。 ミゴンっていうのはオレンジ色の林檎の形でスイカの食感がする蜜柑味の果物。 「ありがとおばちゃん」 「ありがとうございます」 お礼を言って八百屋さんから離れる、手を振ったら振り返してくれた……なんか嬉しくなった。 商業区を歩いて暫くして宝石店を発見。 酸いも甘いも恋の味~ジュリーのお・み・せ~ というよくわからない名前だけど窓から見える店内はちゃんとした宝石店……この店のセンスがあれなのか、この世界では普通なのか。 「さ、入りましょう」 栗栖の後に続いて入った店内は、カウンターが奥にあり入口以外の壁に宝石の見本がある落ち着いた雰囲気の店。 「あらぁ、いらっしゃい。女の子が2人っていうことは婚約か結婚でもするのかしら?」 カウンターの奥から出て来たのは身長2m程の筋骨隆々とした黄色い短髪で厳つい顔をした女性。 うんと、ボディービルダー? この女性の言う通りこの世界では同性婚や多重婚は極々普通のこと……どうでもいいけど今の第一王女は同性愛者で既婚者。
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