第4話

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「ええ、そうなんですの。でも買うんじゃなくて加工と売却をしに来たんですのよ」 うん、栗栖がいつの間にか説明役になってる気がする…そして敬語が抜けてお嬢様口調になってる。 「あらぁ?そうなの?じゃあ、加工したい宝石と売りたい宝石を出して頂戴?あ、自己紹介を忘れてたわ。私はジュリーっていうの。この店の店長をやってるわ」 栗栖はいつの間にか持ってた麻袋を2つ渡しながら自己紹介をする。 それに習って自己紹介をしたら、なんか小さな子供に良く出来ましてね~っていう感じで頭を撫でられた。 なんだ、オレをちっちゃい子だとでも思ってるのかな? でも、さっき結婚とか言ってたし…冗談、だよね? まぁ、頭を撫でられるのは好きだからいいんだけどさ…なんか釈然としないんだよね。 少しムッとしてたら栗栖に抱きしめられて赤ちゃんにやるように背中をトントンって軽く叩かれた。 あぁ栗栖やめてくれ、それをやられると眠くなっちゃうんだよ……頑張って栗栖に抗議の視線を向けたのに優しく微笑まれるだけだった。 必死に意識を保とうとしたけど大好きな栗栖の体温と薔薇の匂いがオレを包み込んで大きな安心と睡魔をくれる。 程なくしてオレの意識は溶けるように落ちていった。
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